病気がなければどんなに良いでしょう。上記はくすりが効きにくい代表的な例ですが、Si22とSi25の併用と肥料を減らす、農薬を減らすことでそれらの病気の軽減、改善が評価されています。キーワードは「健康な作物は病気になりにくい」
作物も動物も病気になる仕組みは似ています。本来どちらにも恒常性機能が(ホメオスタシス)備わっていますが、子供(苗)のときはそれが十分でなく、老齢(老株)のときは機能が衰えるので、病気にかかりやすくなります。また異常な環境や強いストレスを受けたときなども病気の引き金になります。
病原性を持つものは菌、バクテリア、ウィルスなどですが、彼らもDNAの命令を受けて世代を繋いでいかねばならないので、病気はなくなることが無い宿命ですが、病気を減らすことは可能で恒常性機能を高めて健康体を維持すれば、病原体は増殖し暴れることもずっと少なくなります。
作物の病原体は親からの感染や、水、土、空気を介して取り付きます。それでも作物が育つ環境や作物自体が健全なときはあまり増殖できないので、毒素を出して植物細胞を破壊することはまれです。健全でない環境や作物体のときが、彼らの狙い目です。
親からの感染の場合は既に体内に侵入していますが、外部からの場合は表皮細胞の細胞壁が砦になります。細胞壁は作物の身体を支える骨格の役割と、外部の環境を察知し、全身の細胞に指令を送り、活性酸素を武器に敵と向かい合うポジションです。動物の脳と神経の役割を受け持つので、作物が健康かどうかは、細胞壁の出来具合(細胞壁で働くナトリウム、ホウ素、カルシウム、ケイ酸のバランス)で判断できるとされます。
人の手が入っていない自然界はバランスがとれているので、異常気象のときを除いて病気は拡がりません。農地やハウスに病気が拡がりやすいのは、気候よりも土、水、空気のバランスが良くないと考えるべきです。土、水、空気には作物が利用する色々元素が含まれていますが、中でも土と水のチッソ過剰の圃場は彼らには増殖にもってこいの天国です。もし作物の病気でお困りなら、次作でチッソ投与を控えれば病気の程度は改善するはずです。
チッソを多量に与えた作物は作物は過繁茂、徒長傾向に育ちます。地力があるうちは収穫量が上がりますが、味は悪く、微生物が減り、やがて土の気相と液相が減って根が育ちにくくなり、終始病気に悩まされることになります。そんな作物の細胞壁は厚みがなく軟弱で鈍感ですぐに崩れます。細胞壁が崩れると、その下の細胞質が流れ出て日持ちがしないどころか、異様な光景を目にすることになります。もちろん病原体と闘うパワーなど期待はできません。しっかりした細胞壁を持つ作物は、時間の経過と共に水分が飛んで萎れますが、細胞が生きているうちに水分を与えれば8~9割復活します。
作物が病気にかかると「農薬」は定番ですが、農薬は殺菌剤ですから病原菌も天敵菌もかまわずに殺しますが、わずかに生き残った病原菌は耐性を獲得してグレードアップするので、数種の農薬のローテーションが指導されています。農薬は人にも危険性があり、年々薄めになり効果も薄れてきています。また農薬は回数制限があるため、使い残して期限切れで廃棄というムダもさけられません。土壌に病原体がいても、体内に侵入しても増殖が出来にくい環境では、毒素を出すことも病気をひきおこすことも少なく、病原体をのさばらせない土壌や作物体を作ることが根本的な解決法といえるでしょう。
そこで病原体をはびこらせない、健康な土壌と作物を作るためのご提案です。
今、作物の必須元素の17種はほとんどの土壌で過剰になっています。50年前に比べて半減以下に不足しているのは18番目の必須元素と目されている「ケイ酸」ですが、ケイ酸の足りない圃場では作物にカルシウム欠乏とチッソ、リン酸の過剰がおきやすいことが解っています。その場合、作物の細胞壁の出来栄えは当然芳しくありません。またケイ酸が豊富な土壌では病原菌よりも天敵菌が優勢になることも知られていますが、ダムや堰で水の流がとどこうるために自然循環のなかでは、田畑へのケイ酸流入が大きく減少しています。良い農業の維持には、良質のケイ酸を人的投与することが欠かせなくなっています。
ケイ酸資材は数ありますが、水溶性ではないために効きにくいという評価は間違っていません。また水溶性のカルシウムやカリと化合しているために、それらの過剰障害が問題にされていることもその通りです。ケイ酸は重合しガラス化するために、稲わらのケイ酸分が吸われるには5年、もみ殻のケイ酸分の吸収には10年を要します。ケイ酸効果を素早く得るには、液体ケイ酸でも塩酸に溶かした可溶性ケイ酸やクエン酸に溶かしたク溶性ケイ酸ではなく、水溶性のケイ酸が理想です。
いちごうどん粉病は子のう菌というカビの一種で、育苗の初中期と本圃での初冬期、春先に発病が多く見られます。ハウスや育苗場の管理不足や多肥料が引き金になり、ハウスの締め込み、加温電照の開始、ハウスの開け放ちなどのあと、室温20度ぐらいのとき最も盛んになります。また加湿、過乾燥も引き金になるので、短時間の換気などして40%程度の湿度を維持することも大切です。
いちご側の要因としては、チッソ過多による軟弱徒長に育つと、細胞壁がひ弱になり、菌の侵入を止められなくなります。さらに薄くて大き目の葉が重なり合うと、湿気がたまりうどん粉病にもってこいの環境になります。この菌の弱点は「絶対寄生菌」といって生きたいちごの細胞からしか栄養を得られないことです。従って菌が侵入出来ないようなケイ酸で強化されたセルロース、ヘミセルロースによる細胞壁を持ついちごに作れば、うどん粉病に悩まされることはなくなります。病理学的には①子のう菌がいちごの弱い細胞壁を破って細胞に侵入する➁いちごの細胞のチッソを栄養に増殖する③分生子を伸ばして他株へ蔓延する経過をたどります。
Si22を使用すると、カルシウムの吸収が促進され、ケイ酸と相乗効果で強くて分厚い細胞壁が出来上がり抵抗性をまします。それでも子のう菌の勢いが強く止められないとき、その細胞は状況を全細胞に伝えて、武器である活性酸素を自分に向けて自殺します。全細胞は臨戦態勢に備えを始めます。自殺した細胞の細胞壁が壊れ、細胞質が流れ出るのと入れ替わりに細胞間質液が流入します。Si22が効いた間質液は滞留すると短時間で硬化し、ガラス状となって子のう菌は閉じ込められて栄養を奪うことも分生子を伸ばすことも出来なくなると考えられます。(全身獲得抵抗性誘導 SAR)
Si22 使用方法
発病時
予防
炭疽病は糸状菌の一種で、たく葉やクラウン部で越冬し、20℃を超えるころから繁殖を始めます。30℃前後から35℃が最も適温で、育苗期や定植後しばらくがいちごのストレス期とも重なって発病が多くなります。伝染の経路は親株からが大半ですが、菌が土壌の比較的浅いところに棲むので、強い風雨や強めの灌水で土壌感染することがあります。炭疽病始めほとんどのの病気は、チッソ過多、密植、不適切な環境管理が引き金になりますので、菌自体の存在を懸念するよりこれらのことに注意することが肝心です。
Si22 使用方法
発病時
まず風下に発病株を隔離し、患部を処理して、Si22の2000倍液を5~6日連続散布してください。新葉展開が始まればまず大丈夫です。改善が無い時は1000倍液で処理してください。
それでも改善が見られない場合は100倍液をたく葉、クラウンに集中潅注してください。その時新葉は一度枯れますが、次に出てくる新葉が正常であれば大丈夫です。完治した症例が複数ありますが、くれぐれも参考としてください。
定植までの予防
定植後の予防
Si22 使用方法
発病時
予防
ウイルスを媒介するタバココナジラミを遮断することが一番ですが、運悪く発病した場合の手当て